少しくらいタイヤがはみ出してても大丈夫でしょ?という人がいますが、基本的には少しでもはみ出していれば保安基準不適合となり不正改造車となってしまいます。では鬼キャンなどといわれる車(車両前方から見たときに、タイヤが『ハ』の字になっている車)はどうでしょう?鬼キャンでタイヤが車体からはみ出している部分があったとしても保安基準に適合する車もあるのです。今回は特に厳しく確認されるタイヤのはみ出しに関する知識を紹介します。正しい知識を身につけて不正改造車にならないドレスアップを心がけましょう。
※車に詳しくない方にも理解できるよう解説しています。投稿されている内容は法令の一部を紹介したものですべてではないため参考程度としてください。
ハミタイとは
自動車業界ではよくつかわれる言葉でタイヤが車体からはみ出している状態のことをいいます。
ハミタイは保安基準に適合しない不正改造車となり、車検だけではなく整備をうけることも基本的にはできません。
ツライチとは
フェンダー(タイヤ上側のボディー名称)の外側とホイールの外側の位置が同じになる状態のことをいいます。
ホイールを購入する際など『できるだけツライチにしたい』といった見た目をよくするためのドレスアップとしてこの用語が使用されます。
ツライチは基本的にタイヤがはみ出さないギリギリの位置になるよう調整することなので保安基準に適合する状態です。しかし、あまりギリギリをせめてしまうと保安基準に適合するかの判断が難しくなります。車検・点検などではその都度タイヤがはみ出していないかの測定を行う必要性がでてきてしまうため、本当のツライチにすることはおすすめできません。
タイヤのはみ出しの保安基準
第18条第1項第2号
車体の外形その他自動車の形状は、鋭い突起がないこと、回転部分が突出していないこと等他の交通の安全を妨げるおそれがないものとして、告示で定める基準に適合するものであること。ただし、大型特殊自動車及び小型特殊自動車にあっては、この限りではない。
第18条第1項第2号の解説
法令の『回転部分』がタイヤ(ホイール)のことを意味していて、『突出していないこと』という部分でタイヤがはみ出してはいけないとなっています。また、『突出していない』という部分の詳細を告示で定めているため具体的に説明していきます。
自動車のハンドル位置を直進状態にセットします。この車両は砂場ですがで舗装路でできる限り水平の場所で行ってください。
車軸中心から前方30°、後方50°の回転部分(黄色く塗りつぶされた部分)がフェンダー部分(A~C)より外側方向に突出していなければ保安基準適合となります。
よって、鬼キャンのようにタイヤが明らかに車両外側にはみ出していても保安基準に適合している車があります。
タイヤのはみ出し測定方法
画像は私が普段使っているタイヤはみ出し測定器です。
一般的にはタイヤのはみ出しを測定する専用の機器がないことや、測定に時間がかかるため、おもり(5円玉)と糸(できる限り細いもの)で簡易的に測定します。
おもりに糸をつけて車軸中心の真上になるB点でタイヤがはみ出ていないか確認します。
吊るした糸がボディーにふれたときにタイヤ(ホイール)が糸にふれていなければOKです。(少しでもふれていればNGだと思ってください。)
B点でOKだったら、画像A~Cの部分で測定し、黄色く塗りつぶされた範囲がはみ出ていないかを確認してください。