今回は冷却系統に使用されているサーモスタットという部品を紹介したいと思います。
この記事の目次
役割と各部名称
サーモスタットの役割は、冷却水の温度が適温(約80~90℃)になるように制御することです。
冷却水温度の制御方法
冷却水の温度が低いとき
ラジエーターからの水路を閉じて、冷却水の温度が早く適温になるように制御します。
このとき、サーモスタットのバルブは閉じており、バイパスバルブは開いた状態です。
冷却水の温度が適温(開弁温度)をこえると
ラジエーターからの通路を開き、冷却水の温度が適温になるように制御します。
このとき、サーモスタットのバルブは開いており、バイパスバルブは閉じています。
バルブが開く原理
ペレット内部にはワックスと合成ゴムが封入されています。ワックスは温度が高くなると個体から液体となり膨張する性質があります。
膨張とは・・・ふくれて大きくなること
ワックスが膨張することでスピンドルを押し出そうとしますが、スピンドルはケースに固定されているため移動することができません。そのためペレットがスプリングを押し縮めて移動します。ペレットはバルブ、バイパスバルブと一体となっているためバルブが開くと、バイパスバルブも移動し通路を閉じるようになっています。
ジグルバルブについて
役割
ジグルバルブはサーモスタットのエア抜き孔を閉じる役割をしています。
冷却水が注入されてエア抜きが完了すると、ジグルバルブが浮力と水圧によりエア抜き孔の通路を閉じ、冷却水がラジエータ側に流れるのを防ぐことで暖気時間を短縮しています。
取り付け位置
サーモスタットを交換する場合にはジグルバルブの位置が規定の位置になるようにセットしてください。
基本的にはジグルバルブが上にくるようにします。ジグルバルブを下にしてしまうとエア抜きが困難になります。
サーモスタットにかかれた数字の意味
開弁温度(バルブが開く温度)を記載したものになります。