本日30系のプリウスに乗ったお客様が、
『チェックランプが点灯したので見てほしい』
というご用命で入庫。
しかし、どれだけ点検しても車両は正常・・・。汗
問診をしっかりしなかったことにより、どつぼにはまってしまった後輩の例を紹介していきます。
今回紹介するのは、HAC(ヒルスタートアシストコントロール)という機能です。
30系プリウスだけでなく、アクアやシエンタなどにもある機能です。
※グレードやオプションにより異なることがあります
しかし実際に乗っているユーザーで、この機能を知らないってことがよくあります。
あまり使用することのない機能ですが、知らないと故障と勘違いして慌ててしまう人が多いので、ぜひ覚えておいてください。
お客様のご用命
『信号待ちで後部座席の荷物を取ろうと思ったら変な音がしてランプがついていた』
『すぐにランプは消えたが心配なので見てほしい』
というようなご用命でした。
HACという機能があることを知ってれば、不具合でないかもしれない。
というのがすぐにわかるのですが・・・。
HAC(ヒルスタートアシストコントロール)とは
HACとは、坂道発進で車が後退しないようにするための機能です。
マニュアル車を乗ったことがある人なら坂道で車が後退してしまうのを経験したことがあるので想像しやすいと思いますが、オートマ限定の人のためにわかりやすく解説します。
通常、アクセルペダルを踏みたいときはブレーキペダルから足を離さなければなりません。
オートマ車であれば、ブレーキペダルから足を離しても、クリープ現象により車が前に進もうとしてくれているので、傾斜がきつい坂道でない限り後退することなく発進することができます。
しかし、マニュアル車だとブレーキから足を離した途端に後退してしまいます。
オートマ車でも傾斜がきつい坂道になると前に進もうとするクリープの力が負けてしまい、車両が後退してしまうことがあります。
こちらが参考の動画です。
これらの車両の後退を防ぐためにHACという機能が開発されました。
HACを作動させることで、アクセルペダルの操作をするまでの間、自動的にブレーキをかけ続けてくれるため坂道でも車両の後退を緩和してくれます。
HACの作動方法
車両が停止している状態で、ブレーキペダルをさらに踏み込むことにより作動させることができます。
作動すると『ピッ』という作動音と、スリップ表示灯が点滅します。
作動の様子はこちらの動画を参考にしてください。
作動の条件
・シフトポジションがP以外のとき
・サイドブレーキが引かれていないとき
・アクセルを踏んでいないとき
すべての条件を満たしたときにHACが作動します。