
今回は、エアコン系統のご用命で、年に数回はあるエアコン作動時のこもり音について紹介します。
ある程度の知識がある自動車整備士であれば、
『あそこかなぁ~』
って想像がついてしまう内容ですが、知識・経験がなければ今回紹介する不具合の原因にたどり着くまでに時間がかかってしまいます。
自動車整備士だけでなく、自分の車に不具合が起きてしまった場合、今回の内容を知っているだけで早急な対応ができます。ぜひ参考にしてください。
※不具合の一例を紹介したものなので参考程度としてください。
お客様から問診した現象
エアコン・暖房をつけているときは常に音がでる。
(エアコンスイッチはオフ)
エアコン・暖房をつけていないときは音はでない。
音で表現すれば、『ウゥーー』『ボーーー』
音で表現しにくく、こもっている感じで耳に圧迫感がある。
走行中・停車中などの走行状態による音色・音量に変化はない。
風量に比例して音が大きくなる。
音が止まったことがあるが、また音がするようになった。
現象からわかること
今回の問診で一番重要だと思うのが、
カッコ書きの部分。
本当に冷房機能が作動している状態(エアコンスイッチのオン)かどうかという内容です。
お客様のほとんどが、送風のみで使用していてもエアコンという表現をするので注意してください!!
話を戻しまして、
エアコンスイッチがオンのみで異音が発生するならば、
エアコン系統を疑う必要があります。
エアコンスイッチがオフの状態で異音が発生するならば、
エアコン系統は基本的に良好
送風系統に不具合がありそうですね。
ここの診断を間違えると大変なので注意しましょう。
エアコン作動時のこもり音の原因
『現象からわかること』で解説したように、送風系統に不具合がありそうだということはわかりました。
そうなると風を作り出す扇風機的な役割をする部品(ブロワーモーターという)が悪くなって異音がでている。
風量を強くして音が大きくなるからブロワモーターで間違いない。
って解答がでやすいですが・・・
詰めが甘いです。
内・外気切り替えスイッチはどちらになっていましたか?
ブロワモーター内部に異物は混入していませんか?
ブロワモーターと判断する前に確認することがあります。
エアコンフィルター装着車であれば、エアコンフィルターを外してブロワモーター内部を鏡で確認してください。
画像のような小さくて角度調整できるタイプの鏡を持っていると便利です。
(ブロワモーター内部が見えない場合は取り外す必要があります)
はい。
今回紹介してきた本当の原因は
『葉っぱ1枚』
びっくりするお客様も多いのですが。ブロワーモーター内部に葉っぱが1枚入ってしまうだけでこもり音が発生することが多々あります。葉っぱを取り除くと見事に異音がなくなるケースがほとんどですので参考にしてください。
※まれにブロワモーター単体の不良によって同じようなこもり音が発生していることもありますので原因の特定には十分注意してください。